総合計画について
現在、2011年度から2020年度までの10年を期間とする第4次総合計画の策定作業が行われているところです。この計画は今後想定される社会状況、経済情勢、人口動態、少子高齢化や環境問題などを考察し、市が目指すまちづくりの方向を示すものであり、すべての施策の根幹となります。
(1)今年度で終わる第3次総合計画の総括として達成状況や問題点についてお聞きします。
1点目、達成状況についてです。
現計画は基本構想で当初想定していた人口21万人を06年度に17万6千人に下方修正する大きな見直しがありました。人口予測を過大に想定することにより水需要計画、ごみ処理計画などの規模が大きくなり、財政的に無駄が発生するという問題が起きます。このように10年という長期にわたる計画のため、社会、経済状況の変化がある中で、市の構想に掲げていたまちづくりが行えたのか、達成できなかった点は何かお聞きします。
2点目、市長の市政マニフェストとの関係についてです。
マニフェストを掲げた首長選挙が急速に定着し、総合計画にマニフェストを反映する自治体が出てきました。佐倉市でも07年、わらび市長の市政マニフェストを施策に反映する方針が打ち出され、実施計画に位置づけられてきました。しかし、どのような手法で実施するのか正式な規則はありません。先進市である多治見市では市政マニフェストの反映の方法として第3者委員会である事業評価委員会での審議、市民へのパブリックコメントの実施を経て策定しているとのことでした。そこで、わらび市長のマニフェストがどのような過程を経て現計画に反映されているのか、伺います。
(2)次期計画の目指すべき方向、考え方についてです。
1点目、人口予測についてです。
議会開会日に副市長から総合計画についての説明があり、その中で、目標人口として現在の人口を減少させないことを目標にしていきたいとの説明がありました。今後、高齢化の進展、出生率の低下など人口減少に向かう客観的な要因があります。このような状況にも関わらず、人口目標の設定を現状維持としたことについての見解をお聞きします。
2点目、目指すべき方向、考え方についてです。
さくら・市民ネットワークでは第4次総合計画への提案をするため「どんな街に住みたいですか?」というテーマでアンケート調査を実施し、フリー討論会などを行ってきました。また、私ども市民団体の日常の活動を通して見える課題なども含めて次期総合計画への提案を9項目にまとめました。各項目についてのお考えを伺います。
- 市民主体のまちづくりについてです。「市民協働の推進に関する条例」によってパブリックコメント、公募委員の登用などが図られ、市民協働事業も行われています。しかし、さまざまな場面で十分な市民参加がはかられていません。現在、自治体の憲法といわれる自治基本条例が行政主導の下、市民参加を十分に保障されない状況で策定されようとしています。条例策定を急ぐことなく、この総合計画に位置付け、市民自治の基本となる条例の制定をすべきです。
- 子どもから高齢者までだれもが安心してすごせる街についてです。市民ネットワークのアンケート調査では、子育て世代は保育園の拡充、育児支援の充実を求め、老後を考える市民は使いやすい介護保険、介護保険では賄えないサービスの提供、介護家族への支援などの要望が多くあげられました。多様な福祉施策の推進は当事者の視点に立って行うことを求めます。
- 地域コミュニティ、交流の場づくりについてです。子どもから高齢者、障害を持つ人だれもが集える場所で多世代が交流することにより、多様なふれあいが広がり、人と人との関係づくりが日々の暮らしの安心につながっていきます。このような居場所作りの支援として学校の余裕教室や公共施設の貸し出しなど多様な支援策が必要と考えます。
- 自由に移動できる街についてです。公共交通網の整備が南部地域で進んでいますが、高齢化がますます進展するなかで、移動手段の充実を求める声は一層高まっていきます。高齢者だけでなく子育て世代からも要望する声があります。現在、地域公共交通活性化協議会で検討が進められていますが、市内全域の公共交通網を見直し、ディマンド、スクールバス併用型のバス導入など地域の実情に合った方策とするため、多くの市民の参加を得て具体化することを提案します。また、従来からの要望が多い歩行者の安全確保のための歩道整備を進めることも必要です。
- 緑の保全についてです。市内に残された斜面緑地を借り上げ保全し、社寺林をはじめ、残された緑地の保全対策をさらに進めることを求めます。また、(仮)西部自然公園はこれまでの都市型公園とは異なり、自然環境の保全を重視した公園計画になっています。今後10年かけての長期計画となっていますが、自然保護関係の専門家や市民の参加による開かれた公園づくりを進めるべきです。
- 地域の健全な水循環を促し、水源の自立を目指す取り組みについてです。高度経済成長期に進めてきたダムなどの水源開発は、これからの人口減少社会にとっては無駄な公共事業となりました。遠くの自然環境を破壊して水を引いてくるのではなく、足下にある貴重な地下水を保全し、将来にわたって活用するための施策を積極的に進めるべきです。限りある水資源を有効に使うためには、雨水の利用を進めると共に節水型のまちづくりをさらに進める必要があります。具体的には、民間施設への雨水利用や雨水浸透ます設置等を促進する誘導策、等々です。また、緑地を保全し、地下水を涵養すること、都市型洪水を減らすための治水対策も求められています。これら水にかかわる全ての施策を総合的に進めるために、水の総合計画の策定を提案します。
- ごみを処理するという発想から、ごみを管理するという考え方に転換するにことについてです。徹底した分別、生ごみの堆肥化、グリーンリサイクルの拡大等により、焼却しなければならないものを極力減らすこと、脱焼却に真剣に取り組むべきです。そしてリユースを進め、最後にリサイクルをすべきです。その際、リサイクルを免罪符にするのではなく、ごみの減量を市民と共に進めることが何よりも大切です。また、環境に悪影響を与えるおそれのあるものは使わない、買わないという視点を行政としてきちっと持ち、環境負荷を減らすこと、循環型社会を実現するための具体策を求めます。
- 産業振興としての農業についてです。環境保全での重要な機能が農業にあることはだれもが認めるところですが、近年では食の安全、安心を求めて国産の農産物を買い求める消費者が増え、この点からも農業が重要な産業として認識されています。しかし、後継者不足、耕作放棄地など深刻な問題が多い状況が続いています。そこで、農産物の流通を促進する産直所の開設、有機農業による農産物の生産など都市型農業の立地を生かした取り組み、耕作放棄地を農地として活用するために地主と耕作者をつなぐ役割を果たすなど積極的な農業の振興を図ってほしいと思います。
- 平和、人権への取り組みについてです。平和市長会議加盟都市として、平和行政推進に今まで以上に力を注ぎ、政策の基本にしっかりと位置付けること、「人権尊重のまちづくり指針」の理念を各施策の中に具体化させることを求めます。また、長引く経済状況の悪化、過度の規制緩和策、社会保障費の削減などにより、こどもや女性をはじめとする人たちの貧困が大きな問題となっています。自治体には、住民福祉を支える重大な責務があります。深刻化する貧困問題を人間の生存にかかわる人権の問題と捉え、当事者の立場に立った具体的な取り組みを早急に進めるよう求めます。
自治基本条例について
自治基本条例は自分たちの求めるまちの姿を自ら描き、自分たちのまちの抱える課題などに対し、どのようなことを大事にし、どのような方法で取り組むべきかを市民自治によるルールとして定めるものです。自治体で定める条例の頂点に位置づけられ、「自治体の憲法」とも呼ばれる重要な条例です。
現在、自治基本条例などまちづくりに関する基本条例を策定した自治体は180を超えており、県内では流山市が2009年に施行しています。流山市では条例原案の作成のために公募による38人の市民が策定市民協議会を組織しました。策定手法として市民が市民に直接意見を聞くという対話集会方式の「パブリック・インボルブメント」を採用し、協議会が自治会や議員、NPO、商工会、高校生、PTAなど様々な立場の意見を聞き、1年以上かけて条例原案をまとめあげていきました。条例策定の段階で市民自治の実践となる市民参加が行われたと言えるのではないでしょうか。自治基本条例を生きた条例としていくにはこのような市民が主体となる取り組みは大変重要であると考えます
(1)4月から始まった自治基本条例策定市民懇談会についてです。
1点目、自治基本条例の基本的な考え方について懇談会でどのような議論がされたのか、お聞きします。
2点目、2回目の懇談会で出された運営方法案の中で、この懇談会が条例骨子を検討するとしています。しかし、2月議会では「懇談会は事例の調査研究、条例の今後の進め方を検討する」との市長答弁がありました。また、条例策定市民懇談会要綱の所掌事項でも同様のことを掲げています。懇談会は骨子案まで作成する位置付けになっていないと考えますが、懇談会のあり方はどのようなものなのか、お聞きします。
3点目、6月1日付こうほう・佐倉の自治基本条例制定の記事で、「制定に向け、行政や専門家だけでなく、多くの市民の皆さんの声を聞きながら進めます」との掲載がありました。その記事なかに第1回市民会議の開催についての呼び掛けが行われています。この市民会議も2回目の懇談会で提案されたものですが、市民会議の位置付け、出された意見の反映方法についての見解をお聞きします。
(2)策定方法のあり方についてです。
1点目、懇談会で提案された策定スケジュール案の日程についてお聞きします。
2点目、自治基本条例の策定は今年12月を目途としているとのことですが、自治体の憲法といわれる重要な条例をわずか7カ月の短い期間で策定するということでは、市民自治の基本である市民参加がしっかり行えるとは思えません。懇談会の資料として出された上越市をはじめとする他自治体では数年かけて策定していました。また、2月議会で市長は「十分に議論をして、その議論を深め将来にわたって恥ずかしくない自治基本条例を策定してまいりたいと思う」とも答弁していました。市民参加を十分に保障し、条例の検討を行うためにはある程度の時間が必要であると思いますが、どのように考えますか。
介護家族者の支援について (時間切れのため質問できませんでした。)
介護保険制度が始まって10年、この間の介護をめぐる状況は高齢化の進展による老老介護、認認介護、男性介護者の増加、介護の重度化、長期化などが進んでいます。介護者は長期間の孤独な介護によりストレスや不安を抱え、精神疾患や身体疾患、まともな就労もできずに貧困に陥るケースが増えています。20代から40代などの若い層の介護者も増え、親の年金に依存せざるを得ず、看取り後の生活設計や保障のめどはないというような深刻な問題も起きています。しかし、介護保険制度は介護者を支援するような仕組みになっていません。このような中、6月7日に高齢者や障害者などの介護にあたる人を支援するための「ケアラーズ連盟」が発足しました。家族会、大学、NPOなどが発起人となって介護者の抱える問題を社会的に解決していくことを目指し、活動していくとのことです。介護者支援のための全国的な動きが出てきましたが、佐倉市も介護者の実態を調査する初めての「介護者アンケート」を3月に実施しました。
(1)「介護者アンケート」調査についてです。
アンケートは給付通知書に同封し、市内のすべての家族介護者に送られたとのことですが、その結果から見える介護者の現状や課題についてお聞きします。
(2)今後の取り組みについてです。
1点目、アンケートを実施するだけでなく、その後のアンケート回答者へのフォローとして電話などによる個別の対応が必要です。11月の議会の答弁では地域包括支援センターを中心として行うということでしたが、早急な対応が必要な介護者への支援はどのように実施したのでしょうか。
2点目、回答者への継続的な支援は市が責任を持って担当課の専門職よって行うことが重要と考えます。今後の対応についてお聞きします。
3点目、男性介護者の集いが6月1日付のこうほう・佐倉に掲載されていました。現在、介護者の集いは各地域包括支援センターが開催しています。次のスッテップとしてこれまでに介護者のつどいに参加した方々のネットワーク作りや定期的な会合の開催など介護者同士をつなぐ取り組みを提案しますが、お考えを伺います。
|