東日本大震災から3カ月以上たちますが、地震による被害ばかりでなく、福島原発事故の深刻な放射能汚染がさらに被害を拡大させています。目に見えない放射能汚染から次世代を担う子どもたちを守るために真剣に考え、行動していかなければならないと思います。私たち、さくら市民ネットワークは佐倉市に独自の放射能測定と放射能対応マニュアル作りを求める要望書2279人の署名とともに提出しました。今回の署名活動では子どもへの深刻な被害を心配する多くの保護者の悲痛な声が寄せられました。住民の命を守る基礎自治体である市はこの問題にしっかり向き合うべきです。また、市内でも断水や家屋の倒壊など多くの被害があり、今も生活に影響が出ています。
1、防災対策について
(1)東日本大震災の対応について
@被災者の支援
●瓦屋根落下など一部損壊への支援策
市内、家屋の被害状況は全壊、大規模半壊、半壊、一部損壊が550棟に上っています。この中で国や県の支援対象となるのは全壊、大規模半壊などですが、塀が壊れたり、屋根瓦の落下などの一部損壊には国、県の支援がありません。一部損壊の住宅は468戸です。屋根瓦の修理に120万円かかったとのお話を聞きましたが、6月の補正予算では震災被害に対する市単独の助成が何も盛り込まれていません。今回の震災では多くの市民が被害を受けています。船橋市では一部損壊に補助金を出すとのことですが、市として独自の助成を行うべきと考えます。これについては同僚議員も取り上げていました。この問題は政策的な判断が必要と考えますので、市長のご見解を伺います。
●市営住宅の入居期間
a,震災による被害によって自宅に住めなくなった被災者が、現在市営住宅に入居しています。入居条件として期間6か月、家賃・敷金は無償、共益費・光熱費は有償としていますが、世帯数や入居者の状況について伺います。
b,入居期間について誓約書を取っているとのことですが、誓約書をどのような目的でとったのか、伺います。
c,入居期間を6か月としていますが、住宅の再建や移転先などを検討し、生活を立て直すためには短いのではないでしょうか。県の募集要項には「事情がある場合には延長もあり」と書かれていました。個々の事情によって期間内に引っ越せない場合があると思います。このように柔軟な対応を行っているのか、伺います。
d,被災者が入居している市営住宅は災害など緊急事態に対する市の行政財産の使用にあたり、使用期間は1年以内と財務規則で定めています。市営住宅の許可権者は佐倉市ですので、入居期間の延長は独自の判断で行えると考えますが、いかがですか。
A避難所の設置
今回の震災ではすべての避難所が開設されたなかでの問題点
●印南小学校は周辺の宅地より低い場所にあるため避難所に行くまでに階段を降りていかなければならない住民が多く、高齢者などが避難するには大変との声がありました。すべての避難所設置についてアクセスなどを検証し、改善すべきと考えますが、いかがですか。
●避難所としての安全性について
西志津、上志津、小竹小学校、佐倉東中学校の体育館で天井や照明器具の落下などの被害がありました。特に西志津小学校では児童が合唱の練習をしている時に天井が落下したという事故でした。幸い児童に怪我などはありませんでしたが、多くの保護者から大変心配する声が上がっています。また、昇降口の窓ガラスはひびいが入ったものの飛散はなかったとのことですが、避難所としての安全性以前に学校施設としての安全の確保が早急に必要です。ちなみに西志津、上志津、小竹小学校の体育館は耐震化も行われておらず、耐震補強工事と同時に天井などの部材の安全性を確保する取り組みは欠かせません。今後、避難所となっている学校の安全対策についてどのように行っていくのか、伺います。
B市民への広報・情報伝達
災害情報の伝達方法として防災行政無線がありますが、聞こえづらいなどの問題点が指摘されています。そのほかにメール配信も行われていて、震災後利用者が増加しているとのことです。成田市では防災無線のテレホンサービスが実施されています。多様な伝達方法を取り入れて市民への情報提供を確実にしていくことが求められます。昨日、このサービスを検討するとの答弁がありました。確認の意味でお聞きしますが、今後どのように進めていくのか伺います。
C災害時の組織体制
●今回は震度5強に対する配備体制として震災当日に市長を本部長として緊急対策本部が設置されました。その他、副本部長には副市長、危機管理監を含めた部長による本部員や配備を要する所属の職員で構成されています。
a,危機管理監の責務や権限がかなりあいまいです。震災後の議会にこそ危機管理監が出席すべきではなかったのでしょうか
b,今後、危機管理監の位置づけを検証すべきではないか、伺います。
(2)援助を必要とする高齢者、障がい者、子ども等の支援について
@高齢者、障がい者、子どもの安否確認は民生・児童委員、自治会、地域包括支援センター、福祉関係事業者、学校などがそれぞれに対応したとのことです。市は安否確認についてどのような対応を行ったのか、それぞれの状況を伺います。
●安否確認で今後取り組まなければならない問題は何か、伺います。
A保護者が帰宅困難になった場合の子どもの安全確保
●災害時には保育園、幼稚園、学校、学童保育所が責任を持って子どもたちの安全を確保することになっています。今回は下校時刻に地震が起きたため、子どもたちはすでに帰宅していたり、学童保育にいるなど様々でした。このような中、保護者が帰宅困難となって連絡が取れないというような状況はなかったのか、伺います。
●災害時に子どもを安全に保護し、どのように保護者に引き渡すかについて幼稚園、学校、学童保育所と保護者が取り決めを行うことが重要です。それによって帰宅困難な保護者の二次被害も防げると考えます。今回、各学校で対応しているとのことですが、幼稚園学童保育も同様の取り組みが必要です。どのように対応していくのか、伺います。
B女性の視点に立った災害対策
●今回の震災で避難生活をしている女性の現状として、トイレの環境が劣悪で利用を躊躇する、被災者が炊事を行っている場合女性のみが炊事当番をわり当てられる、意見箱があるが誰に見られるかわからないので女性のニーズ把握に有効ではない、などの報告がされています。市の避難所運営マニュアルは女性への視点に立った内容となっていますが、さらに見直しを行っていく必要があります。
・乳幼児などの託児所、授乳室、更衣室を必ず設置する
・女性への暴力防止は記載されていますが、セクハラ防止についても記載する。
・避難所運営委委員会のメンバーとして女性の参加を明記する
・相談窓口に女性相談員の配置、女性相談窓口を設置する
・生理用品を備蓄品に加える
以上について避難所運営マニュアルを改善すべきと考えますが、いかがですか。
●災害時には多くの職員が避難所を運営することになるため、男女平等参画の視点を持つための研修を行うことが重要ですが、いかがですか。
●防災担当職員に女性の登用をすべきと考えますが、現在はどうか、伺います。
(3)ボランティア等との連携協力について
@震災後、ボランティア活動を行いたいとの市民からの申し出が寄せられましたが、それに対する市の対応は市民の熱意に応えるようなものではなく、受け入れにも時間がかかりました。このようにボランティアに対する受け入れ体制が遅くなった原因や市の対応状況について伺います。
A災害時のボランティアなどとの連携は大変重要な取り組みです。今後、ボランティアとの協働を進めるためにはどのようなことが必要か、伺います。
2、高齢になっても地域で暮らし続けるための取り組みについて
(1)地域包括支援センターの今後のあり方について
地域包括支援センターは高齢者の相談業務、権利擁護、介護予防マネジメントなどを総合的に行う機関として設置されています。センターの運営形態は、すべて直営で行っているところ、一部直営、その他を委託で運営しているなど様々です。佐倉市では5か所あるセンターすべての運営を委託で行い3年目となります。委託での運営方法のメリット、デメリットを検証し、今後の運営の在り方を検討していくことが必要と考えます。
@今年度の委託先の選定について、地域包括支援センター評価総括表は公開されていますが、2010年度のセンター運営実績評価の報告書が選定前に公開されず、運営の実態が見えませんでした。2月議会では評価資料の実績報告書や相談者などの特定の個人を識別する情報が数多く含まれているので公開できないとの答弁がありました。しかし、運営報告書は市民にセンターの活動を具体的に知らせるものであり、選定の基準にもなるのではないでしょうか。選定の前に公開を前提に作成すべきと考えますが、いかがですか。
A評価総括表によるとすべてのセンターが評価基準全般に渡って基準を上回っているとのことでした。今回の選定では各センターへの訪問調査を行い、直接センターの職員との面談も実施したと聞きました。センターの問題点や課題などを具体的に伺います。
B現在、すべて委託で運営していますが、市が統括する部門としての果たすべき役割をどのように考えているのか。伺います。
C先日、八千代市の地域包括支援センターを訪問しました。八千代市は直営1か所、委託5か所で運営して5年になるそうです。市が直接圏域を持ってセンターを運営しているため、市職員が現場を担当しながら、委託のセンターを統括するという体制です。メリットとして市民と直接とかかわることで現状認識が高まる、デメリットには職務が直営のセンター運営と委託の統括を行うため仕事量が多いという問題があるとのことでした。このような運営方法についても検討すべきと考えますが、ご見解を伺います。
D高齢者人口は5月現在39,445人です。次期高齢者福祉・介護計画の最終年度となる2014年は総合計画による将来人口の推計では46,763人となっています。今後、センターの増設についてはどのように考えますか。
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