裁判員制度の延期と抜本的見直しを求める意見書

 

 

裁判員制度の延期と抜本的見直しを求める意見書

 司法への国民参加と市民感覚の反映を謳った裁判員制度が今年5月21日に始まる。しかし、国民の反応は消極的であり、2008年4月の最高裁の調査結果では「参加したくない」と答えた人が82.4%となっており、法曹界の中からも拙速な制度導入に反対する動きも強まっている。
今年1月22日、千葉県弁護士会は臨時総会を開き、裁判員制度の改善と延期を求める決議を採択した。決議では、裁判員の守秘義務によって制度の検証が困難であること、取調べの全面可視化など多くの課題が残されていることが指摘され、誤判やえん罪をもたらす危険が高いとして改善されるまでの延期を求めている。
裁判員制度の大きな問題として、国民に対して過酷な義務が課せられる点があげられる。その一つが出頭義務であり、辞退する特別な事由がなく拒めば罰則が科せられる場合もある。しかし、日本国憲法の定める国民が負う義務は教育、納税、勤労の3つであり、「裁判に出頭して人を裁く義務」はどこにも明記されていない。また、裁判員裁判の対象事件は殺人、強盗殺人などの重大犯罪になるが、判決は3日以内、死刑は5日以内に判断をしなければならない。人を裁きたくないと考える国民に対し、意に反して死刑を含む重罪の宣告を強要することになる。さらに裁判終了後も評議の内容について、罰則付きの守秘義務が終生にわたって課せられている。
一方、裁判員裁判の審理の仕組みについても大きな問題がある。裁判の迅速化の名目で公判前整理手続がとられるが、公判前の段階ですでに争点整理、証拠整理と証拠の採否、審理計画が非公開で決定されてしまうので、裁判員としての市民の役割は形式的なものとならざるをえない。
今求められていることは、有罪率99%以上といわれている刑事裁判のあり方を根本的に議論し、情報公開と市民参加の視点で改革を進めることである。以上のことから、裁判員制度の延期と抜本的見直しを強く求めるものである。
右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 

平成21年3月24日

佐倉市議会    

内閣総理大臣
法務大臣     
衆議院議長
参議院議長 宛

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