女性差別撤廃条約選択議定書の批准を求める意見書

 

2009年9月10日

 


さくら・市民ネットワーク        

女性差別撤廃条約選択議定書の批准を求める意見書

 日本は1985年に「女性差別撤廃条約」を批准してから四半世紀近く経つにもかかわらず、国内における女性差別は今なお婚姻や雇用をはじめとするあらゆる社会分野に根深く存在している。

 1999年の国連総会では、本条約の実効性を高めるため、個人通報制度と国連女性差別撤廃委員会の調査制度を定めた「女性差別撤廃条約選択議定書」(以下「選択議定書」という)が採択され、2000年12月に発効し、現在までに世界で96カ国が批准している。 
 しかしながら、日本政府は「司法権の独立を侵すおそれ」を理由に、いまだに批准していない。経済協力開発機構(OECD)加盟国で、未批准国はアメリカと日本の2カ国のみである。

 2003年夏、国連女性差別撤廃委員会は、日本政府に対して「選択議定書により提供される制度は、司法の独立性を強化し、女性に対する差別への理解を進める上において司法を補助するものであると強く確信している」と、批准を「勧告」している。

 さらに、2009年7月には日本に向けて再度勧告が出され、あらゆる分野において、女性差別撤廃条約を周知徹底するよう強く要請している。とりわけ、女性の婚姻年齢差別などが含まれる民法の改正、決定の場に女性の参加を促進するための暫定的特別措置の実行の2点について、2年後までに実施状況詳細報告が求められている。
 「世界経済フォーラム」の「世界男女格差報告」2008年版によれば、日本の男女格差指数の順位は130カ国中98位と、前年の91位よりさらに後退しており、女性差別の是正が国際的に見ても極めて遅れていることを示している。

 加えて、昨秋以降の未曾有の経済・金融危機の中、妊娠・出産を理由にした不利益な扱いや、育児休業などを理由にした女性の解雇などが急増していることから、妊娠中の女性に特別の保護を与えることを定めている本条約の徹底が緊急の課題となっている。

 一方、政府は、男女共同参画社会基本法の理念の実現を「21世紀の最重要課題」と位置づけており、選択議定書についても、男女共同参画審議会答申において「男女共同参画の視点から積極的な対応を図っていく必要がある」と明記され、批准へ積極的姿勢を示している。 日本弁護士連合会においても、選択議定書の草案審議段階である1997年から本議定書の早期批准を求める会長声明が出されてきたところである。

 こうした現状に則し、日本における女性差別撤廃の取り組みの強化を促す選択議定書の批准を、早急に実施するよう求める声が各地から上がっている。本条約が真の実効性を持ち、男女の人権がともに保障される男女平等社会の実現を促進するためにも、選択議定書の批准が求められている。
よって、本市議会は国に対し、選択議定書の国連採択10年の節目に当たる本年こそ、選択議定書を批准するよう強く求めるものである。
 
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

以 上

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