生活保護予算削減方針の撤回を求める意見書

 

生活保護予算削減方針の撤回を求める意見書

 政府は八月十七日、二〇一三年度予算の概算要求基準を閣議決定した。その中で厚労省は「特に財政に大きな負担となっている社会保障分野についても、これを聖域視することなく、生活保護の見直しをはじめとして、最大限の効率化を図る」とし、生活保護費の削減の方向を明確に打ち出した。
 確かに、近年生活保護利用者数と生活保護費は増加の一途をたどっている。そして今年に入ってから、某芸能人の母親の受給を国会議員が問題視したことがきっかけとなり、不正受給を槍玉にあげる「生活保護バッシング」が吹き荒れた。しかしながら、厚労省の統計上過去最多とされている二〇一〇年度での不正受給額は総額のわずか〇・四%であり、その内容も収入の申告漏れが大半である。親が生活保護を受けていることを知らずにアルバイトをした高校生の収入申告漏れまでカウントされている。
 また、現在保護を受けている世帯の七五%は高齢者、障がい者、疾病者であり、「働けない」からこそ保護を受けているという厳然たる現実がある。さらに近年の雇用環境の劣悪化により雇用の不安定化が進んでいながら、その改善がいっこうに行われていないこと、そして急速に進行する高齢社会の中で、年金等の生活保障機能が決定的に弱いことが、生活保護利用者の増加の最大の原因であることは論を待たない。
 そもそも、わが国の生活保護利用率は二―三割と予測される低い補足率により、全人口の一・六%と先進国の中では異常なまでに低く、日本国憲法第二十五条の生存権を守る最後のセーフティネットとして十全には機能していないのが現状である。本来なら拡充すべき制度を、財政負担を理由に一方的に抑制してしまうことは本末転倒である。今年になって相次いでいる餓死や孤立死事件がますます増えて行くことが懸念される。
 民主党政権は国民の多くが反対する中、消費税増税法案を成立させた。社会保障の充実を謳った増税を強行しながら、「生存権」を保障する生活保護を標的とした予算削減は許されるものではない。生活保護削減の方針を即時撤回し、憲法第二十五条に基づき、雇用と社会保障を充実させ、所得再分配機能を抜本的に強化する政策の立案と実現を強く求めるものである。

  右、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。


平成二十四年九月二十四日

佐 倉 市 議 会

内閣総理大臣
厚生労働大臣
衆議院議長    宛
参議院議長


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