「秘密保全法案」(仮称)の国会提出中止を求める意見書

 

「秘密保全法案」(仮称)の国会提出中止を求める意見書

 報道によると、安倍内閣は、10月に招集が予定される臨時国会に「秘密保全法案」を提出し、成立を目指すとのことである。前政権下での「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議」による「秘密保全のための法制の在り方について(報告書)」に基づいた内容であるが、今回は、現政権が年兄の発足を目指すとされている「国家安全保障会議(日本版NSC)」設置法案(すでに国会提出済み)とセットでの成立が目論まれている。

 まず、本法案は以下のような問題点を有する。
・「防衛」「外交」「安全脅威活動の防止」「テロ活動防止」の4分類に関する事項を対象に、「特段の秘匿の必要性」があるとされる機密を「特定秘密」に指定し、規制の対象とするとされるが、その概念が曖昧かつ広範であり、指定するのは各行政機関の長である。解釈次第では、国民が知るべき重要情報が国民の目から隠されてしまう危険性が極めて大きい。
・「最高懲役10年」と「厳罰化」される処罰の対象者として、国家公務員に加え、独立行政法人、地方公共団体、さらには民間事業者・大学等、政務三役ら政治家も加えられている。規制対象となる行為としても、漏洩行為の独立教唆、扇動行為、共謀行為に加え、新たに「特定取得行為」と称する秘密探知行為についても独立教唆、扇動行為、共謀行為を処罰しようとしており、現今の多様なメディアによる取材行為が処罰対象となりかねない。国民の「知る権利」は大きく制限される事態が危惧される。
・秘密情報取り扱い者への「適正評価(クリアランス)」が実施され、思想信条すら含む個人情報の徹底的な調査と管理が行われる。しかもそれは本人の周辺いる者にまで及び、重大なプライヴァシー侵害と個人の国家統制の危険性が懸念される。
 こうした内容面の問題に付け加えて、今回「国家安全保障会議」設置法案との抱き合わせがなされている。同会議設置および本法律の制定が、自民党が昨年まとめ、来年にも提出が予測されている「国家安全保障基本法案」の中に明記されており、同法案が「集団的自衛権行使」を目的とするものであることが明らかである以上、「秘密保全法案」の成立は実質的「憲法9条改悪」の先取りとなる。
 主権者である国民の間での秘密保全法制についての議論が十分になされておらず、いわんや「集団的自衛権行使」についての国民的議論も一切なされていない中で、なし崩しに国民の「知る権利」を制限し、日本国憲法の原則である「平和主義」の根幹を揺るがすことになる本法案の国会提出の断念を強く求めるものである。

地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。

平成二十五年十月一日

佐 倉 市 議 会

内閣総理大臣
総務大臣
法務大臣     宛
衆議院議長
参議院議長

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