大飯原発の運転差し止めを命じた福井地裁判決を重く受け止め、
安易な再稼働に走らないことを求める意見書

 

大飯原発の運転差し止めを命じた福井地裁判決を重く受け止め、安易な再稼働に走らないことを求める意見書

 5月21日、福井地裁は関西電力大飯原子力発電所3,4号機の運転差し止めを命じる判決を言い渡した。
 本判決は、東京電力福島第一発電所の大事故の正当な評価、原子炉運転上の科学的特性の的確な把握、地震の際の大飯原発の構造的欠陥の指摘に基づくだけでなく、原発の稼働をあくまでも経済活動の自由(憲法第22条第1項)に属するものとし、憲法上の「人格権」(第13条、第25条)よりも劣位に置いたこと、電力供給の安定性や発電コストの低減というレベルでの原発再稼働議論を「法的に許されないもの」と断じ、「豊かな国土に国民が根を下ろして生活していること」こそが「国富」であり、原発事故によりこれを取り戻すことができなくなることは「国富の損失」であるとしたこと、さらに「具体的危険性が万が一でもあれば、その差止めが認められるのは当然である」と結論づけたことなど、その内容の正当性において、わが国における原発関連の判決の歴史のなかで特筆すべき画期的なものとなっている。
 しかし、本件の被告である関西電力をはじめ、原発を有する電力会社はこの判決を完全に無視し、原発依存路線を変えようともせず、判決後も再稼働のための安全審査の申請が続いている。安倍政権も原発を「重要なベースロード電源」と位置づける基本計画に固執し、安全審査を経た原発の再稼働を進める方針を変更することはないと明言している。さらに財界も相次いで再稼働の促進を提言するに至っている。
 本判決は、福島第一原発の大事故後初の原発に対する司法判断である。
 事故後3年以上が経過しても、事故の収束などおぼつかないことは汚染水対策一つとっても明らかであり、除染対策も行き詰まっている。なによりも被災住民の救済が未だ本格的になされていないことは重大な問題である。原発の事故がこのようにいかに深刻な影響を長期にわたって環境と生活に及ぼすかを目の当たりにして、国民の世論も、そして司法の判断も如実に変わりつつあることが本判決にあらわれている。
 政府と電力会社においては、安易に再稼働に走らず、本判決の問題提起を真摯に受け止め、判決が指摘する原発の危険性について徹底的な対応策を講じると共に、原発から再生可能エネルギーへの大転換を実現させるべく国民的な議論を進めることを、強く求めるものである。

以上、地方自治法99条の規定により意見書を提出する。


平成26年6月23日
                                 佐倉市議会


内閣総理大臣 経済産業大臣 衆議院議長 参議院議長 あて







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