千葉県立中学校の「育鵬社版」教科書採択の白紙撤回、
ならびに採択手続きの見直しを行った上での
採決のやり直しを強く求める意見書

 

千葉県立中学校の「育鵬社版」教科書採択の白紙撤回、
ならびに採択手続きの見直しを行った上での採決のやり直しを強く求める意見書

 8月26日、千葉県教育委員会は、県立千葉中学校及び東葛飾中学校で来年度より使用の中学歴史・公民教科書について、「育鵬社」版を採択した。同社版の本県での使用はこれが初めてとなる。しかし、育鵬社版教科書は、歴史と公民分野の基本的認識をねじ曲げ、偏狭で事実誤認に満ち溢れた内容であり、子どもたちを誤った知識で染め上げる危険性が非常に大きい。
 以下、主な問題点を挙げる。
 1.神話上の人物に過ぎない神武天皇を初代天皇とし、天皇及び支配者中心の歴史を描い ていること。 2.明治以降の日本が行った帝国主義的な侵略戦争と植民地支配を美化する記述が多いこと。 3.「日本国憲法」の積極的意義を記述せず「大日本帝国憲法」を一方的に賞賛していること。 4.「日本国憲法」の基本理念である「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」さらには「両性の平等」「象徴天皇制」についての記述がきわめてゆがめられ、わが国が「立憲君主制」であるという完全に誤った説明すらなされていること。5.3.11大震災と福島原発大事故の被災者救済も不十分な中で、原発推進を堂々とかかげて いること。
 その他あげればきりのないほど問題の多い教科書である。
 さらに、公民教科書には安倍晋三首相の写真が15枚も掲載されるなど、現政権の「広報誌」であるかのような記述が目立つ。これは、安倍首相自ら改定した「06年教育基本法」第14条2項「学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない」にも、明らかに抵触する。
 また、今回の採択手法についても重大な疑義がある。 これまで県立千葉中学校では、担当教員、地域代表、県教委指導課などで構成される委員会による調査・研究を経て推薦された数種の選定候補教科書をもとに、県の選定審議会が選定、教育長の専決で採択されてきた。しかし、今回県教委は規則を変更し、現場の教師や地域代表の意見が及ばない県教委の議決事項としてしまった。採択のための臨時会の日程も直前まで知らされず、会議は非公開である。 こうした徹底した秘密主義のもとで、歴史教科書は8社、公民教科書は7社が検定合格しているにもかかわらず、今回県教委は事務局案として「育鵬社版」のみを提示した。
 森田県知事は「教育委員会の権限と責任において、適切に採択された」としているが、まさしく「不当」な方法による採決と言わざるをえない。
 よって、今回の千葉県立中学校の「育鵬社版」教科書採択の白紙撤回、ならびに採択手続きの見直しを行った上での採決のやり直しを強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 
 平成27年9月24日
                               佐倉市議会

千葉県知事、千葉県教育長、千葉県教育委員会  宛

 

 







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