水道事業の民営化・広域化を進める水道法改正に反対する意見書

 

水道事業の民営化・広域化を進める水道法改正に反対する意見書

政府は、民営化の手法である「コンセッション方式」を水道事業に導入しやすくし、国や都道府県が主導して「広域化」を進めるための水道法改正を今年3月に閣議決定し、通常国会に提出したが継続審査となり、来年1月からの通常国会での成立を図っている。
コンセッション方式とは、水道施設を自治体が所有したまま、経営権を民間企業に譲渡する方式である。しかし、そもそも憲法25条に定められた「国民の生存権」を具現化したと言われる水道法に基づき、「公衆衛生の向上」と「生活環境の改善」を目的とした水道事業が、利益優先の民間企業に担えるのか甚だ疑問である。
法律改正の理由として、水道事業体の約半数が料金で給水原価を賄えておらず赤字経営であることや、管路や施設の老朽化が進んでいることなど諸課題解決に向けて、水道の基盤強化を図ることが挙げられている。
しかし、水道事業体の経営が苦しい原因は、料金収入の落ち込みだけではなく、八ッ場ダム建設事業のように、不要不急のダム建設費の負担金が経営を圧迫していることにもある。
また、政府は「広域化」の理由として、「市町村間の水道料金の格差が大きい」ことを上げている。しかし、水源が清浄か、都市部か過疎地域かなど、事業体によって効率化や企業努力では防ぐことのできないコストの差があり、それが料金に反映されるのであって、格差が生じるのは当たり前の話である。さらに、佐倉市のように、「身近にある豊富で安全な地下水源を放棄してまで、なぜ遠方からまずくて高いダムの水を買わなければならないのか?」という市民の疑問に真摯に答えようともしていない。
水ビジネスの経済市場は、2020年には世界で100兆円規模に拡大すると言われている。日本の民間資本はその市場に参入するため、世界最高水準と言われる日本の自治体の水供給の管理や運転技術のノウハウを求めて、水道事業の市場開放を迫っている。それが今回の水道法改正の大きな背景である。
自民党の麻生太郎氏は2013年、アメリカの民間シンクタンクでのスピーチで、「日本の水道をすべて民営化します」と発言した。このような経済優先姿勢では、国民の暮らしを支える生活インフラとしての水道事業の破綻は避けられない。
よって、水道事業の民営化・広域化を押し進める水道法改正に反対し、政府に対して、補助金等財政支援によって水道料金の地域格差を是正することを強く求める。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 


平成29年12月18日
佐 倉 市 議 会   
内閣総理大臣     
厚生労働大臣     
衆議院議長     宛
参議院議長       

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