霞ヶ浦導水事業からの撤退を求める意見書

 

霞ヶ浦導水事業からの撤退を求める意見書

印旛郡市広域市町村圏事務組合(以下、印旛広域水道)では、未完成の水資源開発施設等による水源として、霞ケ浦導水の参画量64,454立方メートル/日(0.746立方メートル/秒)を見込んでいる。
 しかるに霞ヶ浦導水事業は、計画策定から33年経過しているにもかかわらず、那珂川、霞ケ浦、利根川を結ぶ約46キロメートルの地下導水トンネルの内わずか14キロメートルしか完成しておらず、進捗率は30%に過ぎない。一方工事費は、総事業費1,900億円の80%に相当する1,490億円を既に消化し、さらなる事業費増額が確実視されている。
 導水事業がここまで難渋を極める原因として、霞ヶ浦の水質の劣悪さがある。本事業のうち、霞ケ浦と利根川を結ぶ利根導水路は1994年3月に完成したが、翌年の試験通水で霞ヶ浦の水を利根川に送水したところ、利根川でシジミの大量死が発生し、その後、利根導水路は使用されず「開かずの水路」と化している。
 茨城県の漁協5団体が、アユなど那珂川水系の水産資源に悪影響を及ぼす恐れがあるとして、導水事業の建設差し止めを求めた住民訴訟は、今年4月和解が成立したが、事業の本格稼働の要件である水質改善は見通しが立たず、2023年度の工期は大幅に延長される見込みである。
 翻って、近年、印旛広域水道全体の給水人口は減少しており、それに伴い総給水量も年々減少している。1日最大給水量も減少しており、霞ヶ浦導水事業など、新たな水源は全く必要がない。
 また、印旛広域水道は自前の取水施設や浄水施設を持たず、取水・導水・浄水の業務を千葉県営水道に委託している。県水は現時点で約19万立方メートル/日の水源の余裕があり、印旛広域水道がその一部を利用することは十分可能である。したがって、万が一新たな水源が必要となる事態が発生しても、完成の見通しが全く立たない霞ヶ浦導水からの受水を待つ必要はなく、県水からの水源融通が可能であり、それについての千葉県との協議を急ぐべきである。
 佐倉市の水道料金は、八ッ場ダムと霞ケ浦導水が完成した暁には、1.35倍から1.5倍もの値上げとなり、市民生活を直撃する。これは佐倉市だけではなく、印旛広域水道の構成団体すべてに共通する問題である。
よって、印旛広域水道に対し、莫大な税金を費やすのみならず、利根川の水産資源と環境を破壊し、暮らしを圧迫する霞ヶ浦導水事業から撤退することを強く求める。


以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成30年12月17日
佐 倉 市 議 会
印旛郡市広域市町村圏事務組合   宛

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