第5回の裁判 報告


入江晶子

  午前10時からの進行協議に引き続き、20分から第5回裁判が始まった。
今回、原告側は治水に関する第3準備書面を提出し、原告がその内容についてパワーポイントを使い、15分あまり陳述した。

 主張の要点は、「@極めて過大な洪水流量を想定した利根川の治水計画は現実性がなく、破綻しているということAカスリーン台風が再来した場合の八ッ場ダムの治水効果はゼロであるといくこと。従って、千葉県が治水上、八ッ場ダム事業によって「著しい利益」(河川法63条)を受けることはないことから、治水負担金の支出は違法である」。
 
 千葉特有の問題として利根川放水路を取り上げ、既に住宅密集地となっている用地を買収し、川幅300メートル、延長32キロメートルの放水路をつくるのは到底無理であり、治水計画がいかに非現実的かを指摘した。さらにこの利根川放水路によって、東京湾に毎秒3,000トンが流されるのであれば、100キロ以上も上流に八ッ場ダムをつくり、毎秒600トン洪水流量をカットしても千葉の治水にとって全く影響がないと主張した。
 進行協議で今後のスケジュール等の話し合い済みであったため、被告側からの発言はなく、次回期日5月26日(金)午前11時を確認し、終了となった。原告側は次回裁判までに財務会計行為に関する書面と利水に関する書面を提出する予定。被告側は原告の提出する財務会計行為書面に対し、反論ではなくこれまでの主張の補充を行なうとのこと。

 傍聴席はほぼ満席で、その後の弁護団による説明会や千葉の会総会にも50数名が参加し、活発な意見交換が行なわれた。
 「6都県の1つでも勝訴になれば、八ッ場ダムは止まるのか」との質問に対し、「そのとおりだが、この裁判は法律論だけでは勝てない。毎回傍聴席をいっぱいにし、市民が関心を持って見ていることを裁判所に示すことが何よりも大きな力になる」と菅野弁護士。島田弁護士からも治水準備書面の補足説明があった。現地の工事の進捗状況に関しては、藤原さんらから@18年度は360億円の予算付けがされ、事業費ベースでも4600億円の半分以上の進捗となることAダムの仮排水トンネル(転流工)へ着手する見通しB打越地区で一部代替地造成完了か、等々の説明があった。また、嶋津さんから利根川水系河川整備計画策定に対し、今後、流域住民が結集し、流域委員会を設置させる運動を展開していこうとの呼びかけがあった。



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