第6回の裁判 報告


入江晶子

 「パワーポイント使用も各裁判所で扱いが異なっている。本来、意見陳述は裁判所に対して行なうのが筋。傍聴席側も含め3つもスクリーンを設置するのはいかがなものか。訴訟行為ではなく、住民運動なのではないか」。
 10時30分からの進行協議で、被告側伴弁護士から原告意見陳述の際のスクリーン使用について、申し入れがあった。これに対し、山口裁判長は「被告側の趣旨は分かるが、傍聴席に原告が多数いる状況、前回も同じ設定で陳述したことから、今回も前回同様に行なう。但し、この件については検討させてほしい」と返答した。

 進行協議開始前、伴弁護士は入室してきた原告弁護団に「被告側にスクリーンをおかないでくれ。やるなとはいわないが程度問題だ」と発言。傍聴席から村越代表が「裁判は市民に開かれている。法律家だけの裁判ではない。司法制度改革に逆行する発言は問題だ」と毅然とした態度で応じると伴氏は黙っていた。

 11時からの法廷は、50人を超える傍聴者で満席となった。
今回、原告側は財務会計行為に関する準備書面(4)と利水に関する準備書面(5)を提出している。被告側は5月22日付で準備書面(6)財務会計行為に関する補充を提出した。

 今回は、千葉の利水状況について原告の服部かをるさんが陳述した。主張の要旨は「水余りの現状にもかかわらず県は将来の水需要を過大予測し、その数字を根拠に八ッ場ダムの必要性を導き出しているが、実績から予測すれば今の保有水源で十分足りており、ダム事業に参加し負担金を支出するのは、財務会計行為違反である」。県は2015年の水需要予測として、一日最大給水量を274万トン(人口628万人)としている。これに対し、原告側が実績値から妥当な予測値で試算したところ、219万トン(人口609.5万人)となった。県の予測値と60万トン近い開きがある。保有水源は252万トンあるため、13%余裕があり、八ッ場ダムの必要性はない。問題点が一目瞭然のパワーポイントの画面に沿って、大変分かりやすく説明された。

 終了後の説明会では、拝師弁護士が難しい財務会計書面について解説し、山口弁護士が利水書面作成のエピソードについて臨場感たっぷりに語った。原告から「今後、県側はダム必要性の根拠をきちんと説明するのか」「裁判の迅速化という観点からこの裁判をどう考えればいいのか」等々、活発な質疑があり、中丸弁護士から「この裁判は6都県で同時展開しており、専門家の協力も得ながらじっくりと実態をあばいていきたい。裁判の成果を外に向けてアピールし更なる運動につなげて欲しい」との話があった。最後に、菅野弁護士が「次回はダムサイト岩盤等の危険性に関する書面を提出予定であり、次々回までに財務会計行為の補充をすることになるだろう。その後、証人調べなど実体審理に入れるかどうかが問題だ」と今後の見通しについて話された。

 説明会後、会員有志十数人が県庁前で八ッ場ダムのカラーチラシを配布した。昼休みの県職員の受け取りもよく、手ごたえを感じた。次回期日は、8月4日(金)10時30分から進行協議、11時から第7回の裁判です。



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