2011年12月25日

内閣総理大臣 野田佳彦様
国土交通大臣 前田武志様

千葉県佐倉市王子台3-5-13
             さくら・市民ネットワーク
 代表 川嶋順子

八ッ場ダム本体工事「継続」決定への抗議声明

 12月24日、2012年度政府予算案が閣議決定され、八ッ場ダムの本体工事を行うための関連費18億円が盛り込まれました。このことは民主党が2009年の衆議院選挙において掲げた公約「コンクリートから人へ」「八ッ場ダム中止」をないがしろにするものであり、断じて認められません。「ダムに頼らない治水」への政策転換に期待し、民主党政権を誕生させた国民の信頼を著しく損なう事態と重く受け止めるべきです。
2009年政権交代後、前原元国交大臣ダム中止宣言を受け、「予断なき検証」の名のもとにダムの検証作業が行われました。しかし、その内実はダムを推進してきた国交省の河川官僚が自分たちに都合の良い有識者ばかりを集め、「ダムありき」のシナリオに沿って形ばかりの検証を行ったに過ぎません。これに対し、127人の科学者が「科学的客観的な検証がなされていない」と抗議の声をあげています。また、地元群馬県選出の衆議院議員6人は八ッ場ダム中止の明確な意思表明をし、民主党国交部門会議からも国交省の検証結果に異論を唱える意見書も提出されていました。この間、民主党内での十分な議論がないままに、前田国交大臣は12月22日に建設再開を表明し、急きょ現地入りしました。翌日23日午後には政府・民主三役会議で正式決定する運びとなっており、この言動は党内から「クーデター」との声があがるほどの暴挙といっても過言ではありません。
 私たちさくら・市民ネットワークは、20年前から八ッ場ダムの不要性を訴え、さまざまな分野の専門家の協力を得てダム中止に向けての活動を進めてきました。ダム完成によって良質な水道水源である地下水が減らされ、水道料金が高騰することは住民生活を直撃します。無駄な公共事業であるばかりか災害を誘発する危険なダムに巨額の税金を投入することは将来に禍根を残します。有害無益なダム計画は中止し、私たち流域住民にとって現実的かつ最も有利な利水・治水策を示すべきです。同時に60年もの間、ダム計画で苦しめられてきた現地の生活再建支援法案も「政治主導」で早急に実現するべきです。
この度の政府による決定は、ダム利権につながる政官学業の結束を強く国民に印象づけました。私たちはいかなる決定がなされようとも、ダムの完全中止をめざし、本事業の不要性、不当性を広く世論に訴え、活動を続けていく所存です。


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