空襲等被害者に対する救済措置と被害の実態調査を定めた法律制定を求める意見書

 第2次世界大戦が終わり、80年が経った。大戦中、空襲等により日本各地で多くの市民の生命が失われた。一命を取り留めた場合でも、心身に大きな障害や傷跡を負い、長年の犠牲を強いられてきた人も多い。千葉県でも、千葉市、銚子市、松戸市、市川市、船橋市、木更津市、館山市などで被害が確認されている。

 しかし、戦後補償の観点では、旧軍人軍属に対しては60兆円に及ぶ支給がなされる一方、民間の戦争被害者に対する救済は後回しにされてきた。戦時中は国家総動員法や防空法などによって、民間人にも戦争への協力が義務付けられていたにもかかわらずである。引揚者、残留孤児、原爆被爆者、強制抑留者等については、十分とは言えないまでも、法律、通達、政令等により徐々に援護が拡大されてきたが、空襲等の被害者はいまだ取り残されている。

 また、被害者や遺族の高齢化、時間の経過による資料の散逸もあり、被害の実態調査を行うことは最大の急務である。これは上記の救済措置に向けてのみならず、犠牲になった人がどのように亡くなったのかを可能な限り記録し、一人一人の尊厳を守り追悼の意を示すことにもなる。

 さきの通常国会では、市民団体や超党派議連による「特定空襲等被害者に対する一時金の支給等に関する法律案」の提出が見送られた。この法律案には、一人当たり50万円の一時金を支給する救済措置や、被害の実態調査が盛り込まれている。

 よって、本議会は国に対し、空襲等被害者に対する救済措置と被害の実態調査を定めた法律の制定を、強く求める。

  令和7年9月24日
  佐倉市議会

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣  宛

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