10/26 ドキュメンタリー映画「テレビで会えない芸人」上映会

原発利用拡大を一方的に進める政府方針案の撤回を求める意見書(案)


11月28日、経済産業省の審議会「原子力小委員会」は、「今後の原子力政策の方向性と実現に向けたアクションプラン」原案を示した。これは今年8月に岸田首相が指示した原発政策の見直し・原発の有効活用の実現の道筋をつけるものとされ、廃炉の決まった原発の建て替え、現在最長60年と定められている運転期間の延長が盛り込まれている。

第一の問題点は、廃止が決まっている炉の次世代革新炉への「建て替え」であって「新設」ではないとする詭弁と「まずは」との文言を弄して、福島第一原発の大事故後、各政権が維持してきた「原発の依存度を可能な限り低減させる」方針を根底から覆す意図が明らかであることである。事故後11年を経ても事故被災者の救済は不十分であり、世論調査においてもことごとく原発への不信感・忌避感が示されているにもかかわらず、技術的に未確立の次世代革新炉を前面に出しての原発推進路線は言語道断である。

さらに、本来40年を想定して設計されている原発を強引に60年まで運転期間を延長したことに加えて、停止していた期間を運転期間から除外することは、圧力容器の「脆化」という対処不可能である原子力工学の常識的危険性を無視している。とりわけ本県に隣接する老朽の東海第2原発の危険性を倍加するものとして断じて許容出来ない。

そして、原子力政策の最大の難問である核廃棄物の「バックエンド」の問題を全く黙殺していることに加え、国内に大量に存在するプルトニウムを利用するプルサーマル発電を受け入れる自治体への新たな交付金の創設に至っては、危険性はもとより地方自治の更なる破壊を招く愚策としか考えられない。
しかも、岸田首相の「指示」からわずか3か月の審議でのプラン作成は、あまりにも杜撰であり、無責任である。

以上のことから、今回の「アクションプラン」原案については即刻白紙撤回し、再生可能エネルギーに軸足を移した政策を、広く専門家と市民を交えた場で議論・立案するよう強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和4年12月19日

内閣総理大臣
経産大臣 宛て

タイトルとURLをコピーしました